close

ベルナール・ラマルシュ=ヴァデル『すべては壊れる』が11月16日に発売

BOOK

フランスの美術評論家であり詩人、作家のベルナール・ラマルシュ=ヴァデルの『すべては壊れる』が鈴木創士、及び松本潤一郎の両名訳となっており、現代思潮新社のレーベル「エートル叢書」より、2015年11月16日に出版される。

ベルナール・ラマルシュ=ヴァデル『すべては壊れる』

1949年フランスに生まれた著者ベルナール・ラマルシュ=ヴァデルは、数多くの現代美術の展覧会を組織し、ヨーゼフ・ボイスのフランスにおける最初の本格的紹介者となるなど、美術評論家として著名だったが、晩年に集中して長編小説を書き始める。

本作『すべては壊れる』は、わが国の現代小説には見ることができないような、古典的でありながら非常に凝った特徴的な文体で書かれている。動物の死の印象的で執拗な描写から始まり、一見、反時代的な体裁をとりながらも、徹底した現代社会の「解剖所見」であり、「死体検案書」となっている。

本作を含む長篇三部作のそれぞれが、(フランス)現代社会への批判を、独特のユーモアと、静かなしかし激しい怒りをこめて格調高く描き出している。その「死」の哲学は最晩年にさらに研ぎすまされていったが、2000年に著者は自らの頭をピストルで撃ち抜いて自殺した。彼の現代社会への批判の言葉はゴダール監督の映画『映画史』のなかにも引用されている。

ベルナール・ラマルシュ=ヴァデルはフランスの美術評論家だが、50歳で自殺をするまでに、幾つかの小説も残している。その一つがこの『すべては壊れる』で、処女作である『獣医』から2年後に発表されている。”死に、取り憑かれ、見つめ研究した”、繊細かつ執拗な目で細部を描き出しているのだとか。こういったエピソードや執念を感じる出来に関して伺うだけで、この興味深い小説を手に取ってみたくなる。
彼の評論や小説の和訳がないか探してみると、幾つかの美術展カタログに名を連ねているのを発見しただけだったので、小説としては恐らく初めての邦訳単行本だと思われる。

ちなみに版元である現代思潮新社には本書に対する訳者鈴木創士によるコラムが掲載されている。こちらも是非チェックして頂きたい。この本への興味が一層掻きたてられることだろう。

PAGE TOP
PAGE TOP