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ステファヌ・マラルメとジャン=ピエール・リシャールによる『アナトールの墓のために』が11月30日に発売。

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Written by ORE ORE

ステファヌ・マラルメの未発表作品とジャン=ピエール・リシャールの批評による『アナトールの墓のために』が水声社から11月30日に発売する。
ステファヌ・マラルメ+ジャン=ピエール・リシャール 『アナトールの墓のために』

『骰子一擲』などを代表作に残す、19世紀の偉大なるフランスの詩人ステファヌ・マラルメは孤独と詩を愛す者であると同時に、子煩悩でもあったのだが、1879年に八歳となる息子のアナトールは病で夭折してしまった。マラルメは深い打撃を受け、それを癒やすかのように『アナトールの墓』という作品を執筆したが、発表されることはなく、この作品の存在が確認されたのは時が経った1961年になってからだ。

ジャン=ピエール・リシャールは1922年にパリ大学で教鞭を執るマルセイユ生まれの批評家で、『マラルメの想像的宇宙』や『シャトーブリアンの風景』などの代表作を持つ。
今作はこの『アナトールの墓』と、そのテクストを紐解くジャン=ピエール・リシャールの小論による書籍となっている。

「ユゴーは幸福にも娘の死について語ることができた。
私にはそれができない」

病により八歳で夭折したアナトール。息子の死に衝撃を受けたマラルメは、千々に引き裂かれる思いを書き遺した……。
作品としてまとめられることのなく、またその存在が長らく知られることもなかったそのテクストと、文芸批評の泰斗リシャールの、魂をゆさぶる小論による双頭の書。

目次:
前書き ジャン=ピエール・リシャール
ステファヌ・マラルメとその息子アナトール ジャン=ピエール・リシャール
第一章 我々はアナトール・マラルメについて何を知っているか
第二章 作品の計画・構造と形式
第三章 作品の計画・舞台と人物
第四章 作品の計画・思想と主題
第五章 本手稿の出版に関して
『アナトールの墓』のための覚書 ステファヌ・マラルメ
訳者あとがき

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