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fraqsea(Aya)+ LLLL 対談

MUSIC

ORE

Written by ORE ORE

fraqseaとして約2年半振りに新作アルバム『Star Cocktail』をPROGRESSIVE FOrMより2016年1月17日にリリースしたAyaと、現在最も勢いのあるエレクトロニック・アーティストの一人として新たなエレクトロニック・サウンドをポップなテイストで提示し続けているLLLL。彼らは2015年夏にMaltine RecordsからリリースされたLLLL『Cruel』収録の『ねえ、いない feat. fraqsea』でも共演している。今回はfraqseaの新作アルバムに関するインタビューから、二人の音楽を中心にお互いの雑感を自由に語ってもらった。


編集部「それでは先ず始めに、お二人がコラボするきっかけをお伺いできますか。」

LLLL「ライブで共演したんですよ。そのときめちゃくちゃフィードバックとかでハウりまくってて、すごい可哀想な環境だったんですが、そんな中でもトラックもそうなんですが、歌がとても良かったんですよね。(笑)あと、僕日本でシューゲイザーみたいな、モヤモヤした音と電子音みたいな、僕と似たような音楽をやっている人が正直周りにいなくて、でAyaさんの音楽を聴いたとき、案外近いことをやっているな、感性の似た人がいるなと思って、空いている時間に話しかけたんですよ。僕歌ものが好きだから、いつか一緒に何か作れたらいいですねって。それから連絡を取り続けていた感じですね。」

編集部「実際にLLLLさんのドラマティックなトラックにAyaさんの透き通りつつも音に埋もれない存在感のある歌が乗っていて、これは組み合わさるべくして組み合わさったコラボだなと感じました。AyaさんのほうでもLLLLさんへの共感などはやはりあったのでしょうか。」

Aya「そうですね、LLLLさんは電子音楽ってイメージがあったんですがライブではギターを弾いてて意外だったんですが、とてもライブ感があったて面白いなと。音楽にしてもシューゲイザーやノイズみたいな、シュワーっとしててそういう、シューゲイザーというのは意識していないんですが、そういう音楽が好きで共感がありました。」

LLLL「シューゲイザーってジャンルにしちゃうとダサいっていうか、でも柔らかいあの攻めている感じも硬い感じもない音が好きで、Ayaさんのはそういう柔らかさが得にみられますね。」

編集部「fraqseaの最新アルバムはこのコラボよりもあとの発表となっていますが、LLLLさんとのコラボから受けた影響などはありますか?」

Aya「今まで色々なアーティストさんとコラボをしているのですが、Ambientとか落ち着いた音楽であることが多かったんです。LLLLさんはキャッチーというかポップというか、そうのって初めてだったんです。それでこういう雰囲気の音楽もやれたら面白いなと思って、すごく影響を受けました。」

編集部「今回の作品、半分近くがビートの効いたものが収録されていますが、フロア向けというか、そういう部分を意識はされましたか?」

Aya「フロア向け、ではないんですけれど(笑)、今回の作品はfraqsea向けのもの、という意識をしないで作ったんです。曲自体は去年の1月頃に完成していて、そのときにハウス・ミュージックとかをすごい聴いてたんですね、で活動名義などを決めないで作ってみようと思ったんです。しがらみとかなく、ポップな感じにチャレンジしてみました。」

LLLL「fraqseaの新作、すごいポップだし踊れるという印象、僕もすごく感じました。Ayaさんのバンドの方のライブとかも見たりするんですが、ビートレスとは言わないまでも、ビートのない曲も結構あって、そういった点からも今作のアルバムはポップで踊れる内容になっているなと驚きがありました。」

編集部「全体的に美しくて歌の栄える楽曲という共通点はあるのですが、『曖昧果実』などのアンビエント寄りの音楽も収録されています。これらはまた違った経緯で生まれてきた楽曲ですか?」

Aya「アンビエントのイベントに出演する際に制作したものや、『曖昧果実』はアンビエント色の強いレーベルさんからのコンピレーションアルバム用に作りました。」

編集部「アルバムに統一感を感じたのですが、それでは収録曲それぞれの誕生のキッカケは違ったんですね。このアルバムの中で個人的に得に興味をそそられたのが、『Nothing』と『We’ll Go To See The Sea』なんですが、この二曲だけ他の曲と比べて毛色が違うな、と。他の曲は全体的にポジティヴなイメージですが、得に『Nothing』なんかは気だるげで暗めの印象を覚えました。」

Aya「『Nothing』はこの中で1番古めというか、以前から既に完成していて、元々fraqseaのライブで演奏したりしていた曲です。『We’ll Go To See The Sea』は結構弾き語りで曲を作るんですが、その中でできた曲ですね。」

編集部「確かに弾き語りというのが全面に出ている曲ですよね。」

Aya「アコースティックギターをというよりは、エフェクターを繋いで作っています。」

編集部「LLLLさんも先ほど仰ってましたけれど、声がすごくいいですね。いわゆるウィスパーボイスという言い方になってしまうのですが、こういうボーカルってトラックに負けていたり、わざと輪郭を曖昧にしたりとかしているものが多いと思うのですが、fraqseaのこの作品ではかなりハッキリと声が前に出てきているのを感じます。この辺り歌のこだわりなどはあるのですか?」

Aya「そうですね、バンドだったりソロだったり、結構リバーブなどを使って輪郭をなくしたりとか、遠くで聞こえたりするようにしていたりするんですが、今回は結構声を張って歌ったと言いますか、加工に関しても殆ど行わないようにしました。」

編集部「そのせいなのか今作はドメスティックな印象でした、近くで歌っているような。」

Aya「今回は全部日本語の歌詞にするとかもそうなんですけれど、わかりやすさを意識しました。」

LLLL「確かに日本語が印象的でした。」

Aya「歌詞は普段思いついた時にメモ書きしたり、言葉遊びで繋げていったりとかしています。」

編集部「歌詞に限ったはなしではなのですけれど、創作でインスピレーションを得るものってありますか?例えば何かを食べたりとか?」

LLLL「食べ物でインスピレーションってすごいですね!(笑)あ、でもアイスクリームってタイトルにありますね!」

編集部「いやぁ、『Icecream Holic』のタイトルのインパクトが強くて。(笑)」

LLLL「実際好きなんですか?アイスクリーム」

Aya「好きですね~(笑)」

LLLL「てっきりこのアイスクリームって何かの比喩なのかなって思ってたんですけど。」

Aya「ああ~、それ面白いですね!」

LLLL「アイスクリームってこう、大人な感じの比喩なのかなって。」

Aya「色々な解釈があって面白いですね!(笑)インスピレーションに関しては、海外旅行であったり、綺麗な景色を見たり、映画のワンシーンを見たりで得ることが多いです。」

編集部「fraqseaさんとLLLLさんはインスピレーション源みたいなものでも共通点があったりはするのでしょうか。」

LLLL「それについてこの前ずっとLINEで話してました、ワリと僕が一方的に(笑)」

Aya「語ってましたね~(笑)」

LLLL「やー、でも僕は個人的にAyaさんがどういうことを考えて曲を作っているのか気になったから、聞いてたんですけれど、色々はぐらかされた気がするので、今日はその辺り伺いたいなと思って来ました!このアルバムを聴いたとき、僕はなんというかラブソングなのかなって思ったんですけれど。」

Aya「ラブソングかどうかはわからないんですが、歌詞とかもそうなんですけどストーリーを作ったりするんですよ。あとはアイスクリームとかビーズとか、カラフルなものが好きで、そういうものが反映されているのかもしれないです。」

編集部「確かに全体的にアダルトな雰囲気を持ちつつも、散りばめられたキーワードからガーリーなものがにじみ出ていて、大人の女性の視点からファンシーなものへの憧れを感じました。」

Aya「あとは高速道路のイメージ、進むとか夜明けや風だとか、そういうイメージを大事にしました。作っていたとき年始だったので、色々なものを捨てたり整理したりする中で、進んでいくというイメージですね。」

編集部「なるほど、だからこそ全体的にポジティブな雰囲気がでているのですね。」


ここで話題は好きなアイスクリームに。

Aya「バニラ系がダメなんですけど、フルーツやチョコレートとか大好きです。」

LLLL「僕はストロベリークリームチーズとかすごい好きで、Ayaさんどうです?」

Aya「すごいおいしい!」

LLLL「チ―ズとアイスというのがすごい好きで。」

Aya「あー!kiriとかも最近アイス出してますよね!」

LLLL「そうそう、チーズ系のアイス大好きなんですよ!で、この前チーズケーキを冷凍して食べてみたんですよ(笑)。でも、口の中で程よく溶けて結構ウマいんですよ。今度やってみてください!(笑)」

Aya「おいしそう!(笑)」

また音楽の話しに、2人のフリートークは続く。

LLLL「ところでAyaさん、最近どういう音楽きいてますか?」

Aya「最近聴いてる音楽は、その時々で違っていたりするのですが、今は柔らかい音、アコギの音が心地よかったりしています。」

LLLL「僕は音楽の聴き方で音楽が決まってくるので、最近だとまたサウンドクラウドで音楽を聴くことが増えてきました。DJをやることを考えてたりとかが理由だと思います。」

Aaya「DJではどんな音楽するんですか?」

LLLL「パーティに合わせていますけど、チルアウト、からちょっと踊れる感じまでいろいろです。この前(さっき)AyaさんもDJをすると言ってましたけどどういう音楽ですか?」

Aaya「チルアウト、良いですね!」

LLLL「そうですね、トリップホップから、チルウェイブと今のFlumeみたいなチルビーと混ぜるの楽しいですね、違いとか共通点とか。」

Aya「私も最近DJをしたので、音楽を探したり聴いたりすることが一時的に増えました。私が流すのはノイジーなディープテクノとかインダストリアルなのとか。」

LLLL「インダストリアル!Ayaさんの音楽って割とこう怒りの要素を感じないというか、なので意外です。例えばメタルとかも聞いたりしますか?」

Aya「メタルは聴いたことないですね~、メタルってデスボイスするやつですよね?」

LLLL「うーんそれもありますけど、普通にメタリカとか。」

Aya「メガデスはフェスでライブ見たことがあってかっこ良かったです。メタルバンドのライブは好きです。メタル聴きますか?」

LLLL「聴きますよ。今のは全然わからないんですけど、メタリカとかスレイヤーとかパンテラとか大好きですね。」

Aya「へぇ、じゃあそのバンドのコピーとかしてたりとか?」

LLLL「コピーまではしないですね、でもちょっとは弾けるかな?」

Aya「早弾き!」

LLLL「いやーそれに関しては全く興味ないですね。(笑)」

Aya「なるほど。」

LLLL「音楽でテクニカルなことを披露するのって冷めてしまいますね。打ち込みでも。」

Aya「聴いてる音楽についてですが、今は制作もしてるのであまり音楽は聴いてないですね、リリースパーティーの準備もしているのもあって。」

LLLL「それありますよね、自分の音楽を作っているときに人の音楽を聴きすぎるの良くないですよね。」

Aya「晴れた朝とか休日の昼下がりとかに先ほどのフォークギターの音を聴いたりしています。そうですね、自然と聴かなくなるかもしれない。」

LLLL「そうかー僕もフォーク大好きだったんですけど、最近は聴かないですね。東京ってフォークが似合わないと思ってて、カナダに長く住んでいたんですけどそれに比べてやっぱり、東京の音ってなんか別の所にある気が。」

Aya「東京を俯瞰で見るとそんなこともあるんですね。」

LLLL「ある気がしますよ、パチンコのお店の音とかすごく東京ぽいです。個人的に今ナイトコアってトランスのピッチとBPMを上げたような音楽がアンダーグラウンド流行っているじゃないですか?ああいうアーティストが日本の音楽が好きって結構公言しているのすごく理解できる。」

Aya「自分は海外旅行が好きなんですけど、その時に見た景色を今いる場所に投影させたりします、お花とか、朝の冷たい空気とか、その時聴いてる音と合う時に見ている景色が美しく見えるというか。」

LLLL「へーーなるほど、僕は東京が大きな音楽のテーマですね、海外の人が聞いたときに東京っぽいって思われたらおそらくうれしい東京の人とかも。」

Aya「そういえば最近日本のバンドが大好きって言ってる海外のバンドの記事読みました。生きてる環境で生まれる音楽ってあるんだなと思います。」

LLLL「多いですよ最近。どのバンドがどのバンド好きだったか覚えていますか?」

Aya「凛として時雨が好きらしく。バンド名は忘れちゃいました。(笑)」

LLLL「へーー僕は凛として時雨を聞いたことがないのでなんとも。」

Aya「うーん」

LLLL「でもいいですね、海外の人が日本の音楽きいてくれるってやっぱりうれしい!」

Aya「そうですね、嬉しい!」

LLLL「Ayaさんは台湾ツアーをやってましたけど、感触としてどうですか?いつか絶対いってみたいんですよね。」

Aya「台湾はまず近いのが良いですね、3時間くらいで行けますし。ライブを見てくれた人たちはすごく熱心に聴いてくれましたよ。ライブの後におそらく覚えてくれたんだと思いますが、日本語で、台湾に来てくれてありがとう、また来てくださいって言ってもらえて!」

LLLL「わーー最高ですね!僕ZoomLensっていうアメリカのレーベルから1stをだしたんですが。」

Aya「シューゲイザーシーンは熱心なファンが多いというのはわかりました。そのイベントは定期的にやってて。」

◆Shelling 『Floating Area』

LLLL「そこはフィリピン、日本、シンガポールとアジアのアーティストが何人もいてアジアのローカルなシーンについてもっと知るべきだなあと思っています。」

Aya「そうなんですね、アジアのローカルシーンは確かに興味深いです。」

LLLL「そうそう、もっと知りたいしツアーもしてみたいです!」

Aya「ツアー、良さそうですね!」

LLLL「そうですね。今回のライブ疋田さんも参加するみたいですごく楽しみにしていますよ!」

Aya「はい、今回のアルバムの『Additional production』で参加くださった疋田さんと一緒にライブです。 no.9 orchestraさんも今回特別ゲストとして『Always With U』演奏予定です。LLLLさんのライブも楽しみです!」

◆fraqsea 『Always With U』:

LLLL「わーすごい!楽しみにしています。ありがとうございます。」


 

2016年4月7日(木曜日)
fraqsea “Star Cocktail” release party @ 代官山UNIT
Live: fraqsea, no.9 orchestra, UN.a feat. Utae、LLLL
Open/Start 19:00
前売り ¥2,800 / With Flyer ¥3,000 (Incl.Mobile/携帯での画像提示含む) / Door ¥3,300
Pia 0570-02-9999 [P]291-905
Lawson [L]73145
e+

https://www.facebook.com/events/1727856500760123/
http://www.unit-tokyo.com/schedule/2016/04/07/160407_fraqsea.php

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