close

おすすめのExperimentalな名曲まとめ <音源あり>

MUSIC

ORE

Written by ORE ORE

実験音楽(じっけんおんがく、英: experimental music)は、現代音楽の潮流の一つである。これは、音楽学においてはアメリカの作曲家 ジョン・ケージ の導入した用語法として理解されている。ケージは「実験的行為」について、「結果を予知できない行為」という定義を与えており、この意味では、実験音楽とは不確定性の音楽、あるいはそれにチャンス・オペレーションを加えた偶然性の音楽を指す。この(狭義の)「偶然性の音楽」は、1950年代初頭以降、アメリカのケージを中心とした作曲家達によって営まれた。

via wikipedia

ということなのだけれど、ここ最近でsoundcloudやbandcamp、Last.fmにdiscogsといったサービス上で「Experimental」というタグを見ると、どうもその用語法で使われているのではなく、大カテゴリとなる音楽ジャンルとは別に付随される、アーティストのある種のスタイルとして理解されている感じがある。本来の意味でのExperimental Musicも大変に魅力的ではあるけれど、今回は現代的なスタイルとしてのExperimentalの方を、つまりは上記のサイトでそういうタグをつけられてるもので、ここ数年にリリースされたものを中心に、私の独断と偏見でまとめてみようと思う。

The Caretaker: All you are going to want to do is get back there


V/Vm、The Strangerなど複数の名義を持つLeyland Kirbyによるプロジェクト。映画シャイニングの幽霊たちの社交ダンスシーンへのオマージュから精神障害などをテーマにしている。ノイズの霧の向こうから微かに聞こえる音楽は、まるで誰もいなくなった廃墟でどこからともなく響いて来るかのようだ。僅かな狂気とノスタルジーが心地よい。

 

Demdike Stare: Hashshashin Chant 

Sean CantyとMiles Whittakerによるユニット。Demdikeは1622年に投獄中に死んだペンドルの魔女の首謀者Elizabeth Southernsの別名に因んだもの。カルト映画のサンプリングや民族音楽イメージから作られるダークで呪術的な楽曲を得意とする。

 

D/P/I: 012


DJ Purple Image。まるで紙くずみたいに切り刻まれる情報、知的なようにも悪ふざけのようにも聞こえる、快楽主義によるglitch。耳からインサートする悦楽機械。

 

Oneohtrix Point Never: Sleep Dealer

Daniel Lopatinによるプロジェクト。今では多くの人に愛されるExperimentalだ。ついこの間出たばかりの新譜『Garden Of Delete』ではまた新しいアプローチを試みている。

 

Dem Hunger: Electric Shithole
現在Wanda Groupとして活動しているLouis Johnstoneによるプロジェクト。現在この名義での活動は行っていないようだ。歪んだリゾート感、足を引きずりながら刻むようなビートで中毒性が高い。

 

Andy Stott: Luxury Problems


Andy Stottはマンチェスターを拠点とするプロデューサー。Industrial、Abstract、Experimentalといったキーワードでくくられる。胴体に直接響く重低音と、暗く霧がかったレイヤーとその向こうから時々漏れ出る都市的な光が催眠作用を与える。

 

Skylar Spence(a.k.a. SAINT PEPSI): Skylar Spence


Ryan DeRobertisによるプロジェクトSAINT PEPSI。ご想像に難くないように法律上の問題から現在はSkylar Spenceを名乗っている。この山下達郎の『LOVE TALKIN’』がガッツリとサンプリングされているゴキゲンなディスコチューンの何がExperimentalなのかと言うと、これはつまりVaporwaveの泡沫の夢なのだ。80~90年代のAORやイージーリスニングやスーパーマーケットのBGMのコピー・ペーストでつぎはぎされた情報のゾンビのようなこのジャンルは、確かにExperimentalだったし、私をワクワクさせてくれた。

 

Forest Swords: The Weight Of Gold


ブルックリンで活動するMatthew Barnesによるプロジェクト。民族音楽にフォーカスを当てるサイケデリックな音楽が特徴だが、特に日本的な民族音楽の想像上のオマージュといった趣があり、陽気さの消え、日本の怪談のようなジットリとした湿度のダブとなっている。

 

Rene Hell: Detuned Clarinet

Jeff Witscherによるプロジェクト。息を飲むほど美しい電子ドローン。電気信号によって精神を浄化されるというSF的体験ができる。

 

Sandro Perri: Changes
最後は耳障りの良い歌モノを。元Great Lake SwimmersのメンバーPolmo PolpoによるプロジェクトSandro Perri。プログレッシブ、トロピカリズモ、フォークのエッセンスを絶妙なソングライティングとバランスでブレンドした作品。

 

以上が私の選ぶここ最近のExperimental「タグ」が付いているであろうオススメ楽曲の紹介でした。本来的な用語法から離れている上に、ジャンルを横断している為、なんでもありの選曲ではありますが、楽しんで頂けたり、digのキッカケになれたら幸いです。

PAGE TOP
PAGE TOP