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BOOL とcanooooopyの共作による全20曲のポエムコア短編集『夢は架空の群像に咲く』が2月13日にリリース。

MUSIC

ポエムコア提唱者BOOL と100%サンプリングのcanooooopy共作による全20曲ポエムコア短編集『夢は架空の群像に咲く』がVirgin Babylon Recordsより2016年2月13日配信リリースされた。

聴く短編集というコンセプチュアルな今作について、トラックメーカーのcanooooopyからメッセージが届いている。

「今回の「共著」はそもそも私が持ちかけた話で、とにかく私の作るものは1トラックが短くなりがちである。
というところを逆手にとり、短編ポエムコアみたいなものをやってみませんか、と……
BOOLさんも快諾してくださり、光速で20もの短編を仕上げてくださいました。
結果として訳の分からない人物が数多く登場する内容となったため、このようなタイトルを冠した次第です。
BOOLさんの目下最新作「OMOSHIRO DARKNESS」にも短いトラックを幾つか提供しておりますが、これらは今回の短編集の後に制作を開始した、延長線上にあるものと位置づけられましょう。

ポエムコアの制作はポエムありきであるところが面白く、分かりやすい例で言えば『ジャスミンと修一52歳』での「ジャスミンの思考にノイズが走った」というフレーズと同時に
電気チックなノイズのサンプルを走らせる、といった、先にある言葉に引っ張られた発想により、独力で作るものにはない展開やギミックが生まれるところが肝となります。
トラック全体の雰囲気も言葉に支配されている趣が強く、そもそもリズムらしいリズムを入れるかどうか、というところの判断から言葉に依っていますので、ソロでの作品と はまた少し違った印象になっているかと思います。
「耳で読む短編集」といったコンセプトですが、各々ご自由に楽しんでいただければ幸いです。」

canooooooy

謎めく人物が織りなす断片世界。悪夢のような短編集。
目を閉じろ、耳で読め!然すれば闇は開かれん。
第113回 蒼凱学賞、第82回 ウゴンチェ・ペペル受賞作。
BOOL & canooooopy共著「夢は架空の群像に咲く」
2016年2月13日発売。

『夢は架空の群像に咲く』解説

喜屋能日威(きゃのうぴぃ)氏は蛸わさびを口に運びながら私に言った。
「舞卯瑠(ぶーる)さん、改めてお疲れ様です」
私は湯豆腐をつまみながら深く頷いた。
この日、蒲田シティーのガード下の飲み屋で、囁かな二人だけの祝勝会が行われた。
昨年、我々の共著である「夢は架空の群像に咲く」が第113回 蒼凱学賞に続き、
英国の権威ある文学賞第82回 ウゴンチェ・ペペル賞を受賞したのである。

ことの発端は2013年夏までに遡る、私が喜屋能日威氏と初めて出会ったのは、我々が所属する団体、
婆陣罵火論零甲図(ばーじんばびろんれこうず)の主催する稚魚放流会だった。
この会が弁当持参のものだとは、私の頭に全くなかった為、
参加者が談笑し弁当を突いている中、私は独り、河原に石を投げ込み時間を潰すしかなかった。
しばらくして1人の男が僕の隣に座った。男は6尺6寸(2m)はあろうかという髭もじゃの巨漢だった。

「腹減りますよね 僕も弁当忘れたんです」男は人懐っこい笑顔で私に語りかけてきた。
「あの、あなたは?」
「あっ すみません申し遅れました。僕の名は喜屋能日威です」
この男が・・・ 喜屋能日威という名前は知っていた。
最近パソコン通信で頻繁に話にあがる新進気鋭の物書きだった。
「私は舞卯瑠です」
「あなたが歩絵夢娘亜(ぽえむこあ)の舞卯瑠さん!
パソコン通信の写真では全身黒い甲冑で被ってるし素顔は分からなかったもので驚きました・・・
半魚人だったんですね」

それから私達は共通の趣味である古井戸巡りを通して仲良くなり、何か二人で書いてみようということになった。
そこでとられた執筆方法というものが非常に斬新だった。
1人が昼間から酒を煽り、酩酊後、ぐうぐうと寝てしまう。
そこで発する寝言を、もう1人が聞取り丹念に書き写す。
その流れを交代で幾度となく行い、出てきた言葉の断片を熟考し、一つの物語に仕上げる。
そのようにして生み出した、悪夢のような物語が二十編。
それらをまとめあげた奇書「夢は架空の群像に咲く」が2月13日に婆陣罵火論文庫より発売するのです。

偃月刀を傍らに、芋焼酎を飲みつづけている喜屋能日威氏
やがてくる闇への予感 廻って見える視界
帆を下ろせ

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