12月13日 Ayl_E

今回は、わずか数日で消滅してしまうという異例の形でリリースされ、現在入手困難な1stアルバム“Le Cosmicomiche”が話題となり、未だ多くの謎に満ちたインターネットアーティスト、Ayl_Eが2015年のアルバムベストを答えてくれた。

Ian William Craig 『Cradle for the Wanting』

人工的なノスタルジー。ベッケルの描く夜山のミゼレレの如き、美しさと幽愁を備えた作品でした。

Co La 『No No』

戯れに切り貼りされた情報の集合体のような、なんだかJames Ferraroの悪ふざけに近いものがあります。大変忙しなく、耳に楽しい作品でした。

Laraaji 『All in One Peace』

Lotus Collage (1978)、Unicorns in Paradise (1981)、Connecting the Inner Healer… (1983)の3作をコンパイルし、リイシューした作品です。特にLotus Collageがお気に入りで、思考が溶けるような瞑想状態へ誘ってくれます。

Various ‎Artists 『Disco Dildar』

『Jan Mohammad’s Dekha Jaye Ga』や『Life Is Dance』、『The Sound Of Wonder!』などパキスタン映画音楽の様々な作品で名前を見るM. AshrafやKamal Ahmedなども収録されているアルバムです。他のロリウッドのコンピシリーズでは見られないファンク具合がとても面白いです。

Fadimoutou Wallet Inamoud 『Isswat』

アザワドの女性歌手です。ハンドクラップと男性コーラスによるドローンをバックに朗々と歌い上げ、瞑想的でありながら気持ちは徐々に高揚させられる不思議な作品です。トゥアレグの鳴らすロックも魅力的ではありますが、個人的にはこういう作品のほうが好みです。

Cherushii 『Memory Of Water』

ベッドサイドの間接照明が明滅しながら寝室をダンスフロアに変え、しかし微睡みと疲労感で横たわるままに任せるような、そういった距離感が素敵な作品です。Maria Minervaも1曲参加しています。

D/P/I 『Ad Hocc』

耳を通して脳に届き、思考を直接グリッチされます。

Maalem Mahmoud Guinia, Floating Points & James Holden 『Marhaba』

本当にMaalem Mahmoud Guiniaの音を活かすようなアレンジで素晴らしいな、と思った作品です。ゆるやかに浸透してきて、自然と身体を動かしたくなるような音楽でした。

Time Wharp 『Time Wharp』

これもまた寝室向きのダンスミュージックのように思います。目を瞑ったままレールに乗せられて、まぶたを貫いて入ってくる光を眺めて流れる風景を楽しむような作品。

Natural Snow Buildings 『Terror’s Horns』

今までの作品よりも重く呪術的な内容になっており、非常にネルヴァル的なものを感じました。そこにTwinsistermoonことMehdi Amezianeの女性と見紛うべき儚い歌声が、一条の光のように差し込み神々しさを増して、聴くものを夢想状態へ導く大変美しい作品です。限定でついてきた『The Ladder』は逆に淡い光に包まれ、希望に満ちた音が多く、これもまた素晴らしかったです。

次回のベストアルバムは、寝室夢想家、new EP “hitoe” も話題のアーティスト mus.hiba がセレクトしてくれる。楽しみにしていて欲しい。

■Ayl_E
bandcamp: https://ayl-e.bandcamp.com/
soundcloud: https://soundcloud.com/ayl_e

The following two tabs change content below.

• この記事を書いた人
• 最新の記事

Curry Robo

アートや音楽の事を考えて活動するロボ デス。 エネルギー源はカレー デス。

最新記事 by Curry Robo (全て見る)

• Virgin Babylon Recordsが新たな企画「Virgin Babylon Once More」をスタート - 2016/02/06
• Nyolfenが選ぶ2015年ベストアルバム10枚 - 2015/12/31
• world’s end girlfriendが選ぶ2015年ベストアルバム10枚 - 2015/12/30

この記事が気に入ったら
いいね！してね

oreメディアの最新情報をお届け！