sgt. 大野均が選ぶ2015年ベストアルバム10枚
12月12日 sgt. 大野均
映画音楽的な手法にロック、ジャズ、ノイズ、エモ、即興といったサウンドが融合したマルチ・インストゥルメンタルバンドsgt. のドラマー 大野均 さんによる2015年ベストアルバム10枚を、ご本人によるコメント付きでご紹介。
ORE-MEDIAをご覧の皆さん、こんにちわ。sgt.というバンドでドラムを叩いてます、大野です。
ORE-MEDIAのSN22000さんから「2015年のベスト10について書いて!」という依頼もらった時は、いよいよキタか・・!とうとうベスト10を書く日が・・・!と人知れず滾るものがありましたが、はて2015年の音源って、何聴いたっけ?というそもそもの問題にブチあたりました。
あんまり新作を聴いてないなぁ。。新しいアーテイストを見つけることもしてないなぁ。。と遠い目になりつつも、そこそこ音楽は聴いているつもりです。
今回は2015年の音源以外にも、今年よく聴いた音源を10枚ご紹介したいと思います。それでは最後までお付き合いください。
1. I8u+Tomas Phillips 「ATAK013」
本読む時は必ずこのアルバムを聴きます。すーごい集中できる。
風が吹く、水が流れる、雨が降る、そんな自然のありようがそのまま音になっているような感覚があって、
いつまででも聴いていられます。目を閉じて聴くと自分以外誰もいなくなったような気分になれます。
ラスト曲は渋谷慶一郎のリミックスですが、一瞬だけピアノの音が入るんですね。そこでいつもハッとなる。
これはオールタイムベストってくらいに聴いてます。
http://www.amazon.co.jp/ATAK013-ligne-i8u-Tomas-Phillips/dp/B002C58954
2. JagaJazzist 「Starfire」
我らがジャガ・ジャジストの新作。
6曲だが10分近い大作揃い。音楽を手軽に楽しむサブスクリプションサービスが勃興している現代で、
これだけ大作をドヤっと詰め込んだ作品は、sgt.みたいな音楽やってる僕らにはすごい勇気をくれます。
いわゆる「バンドっぽい曲構成」ではなく、よりクラシカルな方法論で作られている印象。
3. 54-71 「I’m not fine, Thank You. and you?」
Ugly Pray~idiot~cosmetic overkiller の流れが大好きで、良く聞いてました。
特にUgly Prayのイントロ、ギターノイズのところで目をつぶり、カウントで曲始まるとこで目をカッと開けるのが、
なんか映画の始まりっぽくてすごいかっこよくて、電車の中でよくやってました。
録音はスティーブ・アルビニ、マスタリングは ボブウェストンと、SHELLACコンビで作成したそうですが、ドラムの音作りはさすがの一言。この音との近さはやっぱすごい。
idiotはドラムでコピーしました。大変だけど上半身・下半身のコンビネーションのいい練習になります。
話変わりますがSHELLACの来日行きたかったなぁ・・
4. Sufjan Stevens 「Carrie & Lowell」
作品が作られた背景も感動的ですし、中身も素晴らしくドラマチック。スフィアンスティーブンスで一番好きですね。
特に「Blue Bucket of Gold」の優しいシンセ音に涙。優しさに包まれるようなアルバム。すごい好きです。
疲れた時に聞くと目頭が熱くなること請け合い。
5. 清水靖晃&サキソフォネッツ 「ゴルトベルク・ヴァリエーションズ」
ゴルトベルク変奏曲をピアノ独奏でなくサキソフォン×5、コントラバス×4という編成でアレンジした作品。
僕は管楽器についてド素人ですが、それでもわかる超絶テクニック。細かいパッセージを正確無比に吹ききってて素晴らしいです。
ゴルトベルク変奏曲にこういう更新の仕方があるのか!という新鮮な驚き。これ好きですね~。
6. FKA Twigs 「M3LL155X」
ここ数年でダントツの才能。
尊敬してます。これからも新作出れば聴きます。
7. mouse on the keys 「Flower of Romance」
川崎アニキのドラムを正座して聴いてましたっ!!練習しなくてごめんなさいごめんなさい・・と自分の怠惰さを戒めてくれます。
自分に喝入れたい時に聴くアルバム。
8. YES 「Fragile」
有名な「Heart of The Sunrise」のあのリフじゃなくて、歌パートがすごい好きなんで、そこだけ良くリピートしてます。
shine!(ジャーン!)Distance!(ジャーン!)のくだりが笑っちゃうけど好きですね・・よくフリ付きで踊ってます。
息子にも聴かせようと思っている一枚。
9. Ari Hoenig 「lines of oppression」
俺のプログレジャズ心をくすぐる一枚。
複雑なの聴きてぇっ・・!って時に聴きます。Ari Hoenig来日してたんですよね、今年。行きたかったなぁ・・・
10. 奇妙礼太郎 「奇妙礼太郎×SPARK COLLECTION Vol.1」
https://itunes.apple.com/jp/album/qi-miao-li-tai-lang-spark/id998788664
CMでよく使われてますね、この人。この松田聖子のカバー誰だろうなーとググって知った奇妙礼太郎さん。
本当にいい声です。僕もこんな声だったらドラムをバカスカ叩くこともなく、ギターを爪弾いていたでしょう。
「赤いスイートピー」のカバーがすごく好きで、このアルバム聞きながら靴磨きをするのが週末の習慣になりました。
次回のベストアルバムは、現在入手困難な1stアルバム“Le Cosmicomiche”が話題となり、未だ多くの謎に満ちたインターネットアーティスト、Ayl_Eがセレクトしてくれる。楽しみにしていて欲しい。
■sgt.
99年結成。2003年より現在のメンバー編成にて活動開始。映画音楽的な手法にロック、ジャズ、ノイズ、エモ、即興といったサウンドが融合したマルチ・インストゥルメンタルバンド。国内外のアーティストのツアーサポートや各地のフェスに出演、また、自主企画「生命」の開催などライブを中心に音楽活動しており、ゲストプレイヤーやVJの参加などライブの演出に力を入れている。 昨年には初の海外ツアーにカナダへ行くなど海外への活動範囲を広げている。2005年に1st Mini Album「perception of causality」でデビュー(mastering engineer : mino takaaki/toe)。2008年には1st Full Album「Stylus Fantasticus」を発売。作品の全てのアートワークを新進気鋭のクリエイター迫田悠が手掛け楽曲とリンクしたコンセプチアルな内容となり国内に留まらず海外でも高い評価を受ける。 2009年には2nd Mini Album「capital of gravity」を発売し特殊ブックレットとして短編小説封入するなど、新しい試みにも挑戦。メンバーの成井幹子は、大友良英率いるONJOのライブに出演や、木村カエラ、ILL(ex.SUPERCAR)、ジム・オルークのバックバンドや神聖かまってちゃんのライブサポートなどに参加。 また勝井祐二(ROVO)とのデュオバンド「PHASE」を始動させたばかり。 若手女性バイオリニストとして高い注目を浴びている。
Curry Robo
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