おやすみホログラム プロデューサー小川晃一が選ぶ2015年ベストアルバム10枚
12月28日 小川晃一
アイドルグループ「おやすみホログラム」のプロデュースや、「good night! records」を主催、多岐にわたり活動する音楽家 小川晃一 が選ぶ2015年ベストアルバム10枚をコメントと共にご紹介。
依頼されることで多分初めて年間のベスト10とか考えてるんじゃないか。
新譜をめちゃくちゃチェックする方じゃないし、アイドルをやり始めてからは割とレコードショップにも行き始めたけど、基本的にネットで気になるものを探す、データで買うっていうのが多い気がする。
でも今になって10年ぶりにアナログ環境を整えたので来年はレコードたくさん買うんだろうなー。
まあそんな感じで新旧織り交ぜな感じのベスト10です。
10. おやすみホログラム『おやすみホログラム』
色々な意味で一番聴いたアルバム。
このアルバムを作るときに心がけたのは中途半端にしないことと、環境のせいにしないこと。
彼女たちと自分の初期衝動を感じられるのはこの1stだけだから、それをループする時間の中に刻みこめたかと思います。
多分こんなのは二度と作らないし作れない。
9. This Heat 『This Heat』
先日お邪魔したDOMMUNEの特集で久しぶりに聴いて買い直し。
こんなにカッコ良かったっけ?となりました。
今年のbattlesもいいけど今はなんとなくこっちの気分です。
8. Emilie Levienaise-Farrouch『Like Water Through the Sand』
このアーティストはノーマークだったんだけどfatcatのサンクラを流してて引っかかった。
今年一番聴きそうなんだけどCD買えたのが最近なのでこのランクに。
リヒターに傾倒してた時期を思い出すと同時に今っぽさもかなり感じられる。
ポストクラシカルやECM系のジャズは好きなんだけど、なかなかお気に入りが見つからない自分に取って久々に追ってみたいと感じたアーティストでした。
7. Have A Nice Day! 『DYSTOPIA ROMANCE』
おやホロで知ってくれてる人にはおなじみのバンド、Have A Nice Day!。
このアルバムの発売の経緯は探して読んで貰えばと思います(なかなか興味深いですよ)。
このバンドはライブと音源ではかなり違う印象を持っていて(いままで色々なライターさんが文章にするのに苦労すると書いていたけど自分で書いても難しくて書くのやめたくなってきた)、 これだけ聞いても伝わらない部分は多いと思うんだけど、blood on the mosh pitという曲があって、それはMVが公開されているんだけど、それをみて何か感じる人だったらアルバムもライブも 気にいると思う。
個人的に首謀者でありボーカル、シンセのアサミさんの書く歌詞の世界感がすごく好きなんだよね。
6. Hair Stylistics 『Dynamic Hate』
これは去年の作品かな。
ここまで書いてきてバンド音源がHave A Nice Day!のみなんですわ、今年。
アイドルやって現場で色々な歌を聴くんだけどあまりピンとこなくて、プロダクションとしての歌に興味があまり湧かなくなったのか、それとも掴まれるような作品になかなか出会えていないのか。
そういうわけでHair Stylisticsのこのアルバムはドライブでよく聴いていた。
アナログなマシーンの質感が結構今年のテーマかも。
個人的なことだけど、なんと今年の自分の誕生日のイベントに出ていただきました。
5. Marcin Wasilewski Trio & Joakim Milder 『Spark Of Life』
割と追っているポーランドのジャズトリオにトランペットが加わったアルバム。
過去二作と比べるとちょっと物足りなさはあるけど(bjorkのhyperballadカバーが良すぎた)やっぱりこのトリオが作り出す間がすごくいいなあと。
4. 高田渡 『イキテル・ソング ~オールタイム・ベスト~』
一時期、車でずっと流れてた。
忙しくしてると色々な言葉が素通りしていくんだけどこの人の言葉はすっと入ってくるんだよな。
3. tha BOSS 『IN THE NAME OF HIPHOP』
グループとしてのアルバムが少し落ち着いてるかなあと思って離れそうになってたんだけどこれ一枚で完全に引き戻された。
全曲名曲どっしり重いって最近なかなかないのでは?
うちのレーベルでもハハノシキュウというラッパーで来年一枚出すのでかなり刺激をもらった一枚。
やっぱり日本語hiphopはかっこいいんだよね。
2. AFX 『Orphaned Deejay Selek 2006-2008』
おやホロを除けば多分一番聴いてる。
音の一つ一つが素晴らしいし、懐かしさとアップグレード。
すべての水準において最高レベルなんじゃないか。
ずっと聞いていられる。
1. Iron & Wine『Around The Well 』
これは一番長く車の中にあったアルバム。
とにかく聴いた。
バンドものよりこっちの弾き語りスタイルが一番好み。
以上今年一年のベスト10でした。
上にも少し書いたけど今年はバンドで突出した存在が少なかった。
来年はどんな年になるんでしょうかね。
■ おやすみホログラム『おやすみホログラム』
1, Plan
2, Before
3, Drifter
4, Machine song
5, note
6, 揺れた
7, 夜、走る人
8, forever young (Have a Nice Day! cover)
9, Tab song
10, 誰かの庭2014年5月に始動したアイドル・ユニット。メンバーは望月かなみ、八月ちゃん。メンバーはそれぞれ多岐にわたるカルチャーに通じており、クラブやハードコアなライヴハウスへの出演などジャンルをまたいで精力的な活動を展開。さらに“おやすみホログラムバンド”として、ハシダカズマ(箱庭の室内楽)や小林樹音(元TAMTAM)らを迎えた編成でも活動。2015年4月、Have a Nice Day! とコラボしたシングル「エメラルド」をリリース。2015年9月、自らの名を冠した1stアルバムを発表。
■ 小川晃一(おやすみホログラムプロデューサー)
1982年生まれ。都内を中心に活動する音楽家。2011年2月にsmall finger recordsよりファースト・アルバム『Hello Darkness , My Old Friend』、2014年3月にiTunes Store、Amazon MP3、Bandcampにてセカンド・アルバム『We Dance Alone』を配信限定リリース。さまざまな形態でライブを行っており、ルーパーやピアニカを使用した多重録音のソロ、ドラマー・吉島智仁とのドラムデュオバンド「ooooooo」等では、ギターボーカル、ピアノ、etcを担当。2013年には「伊勢丹秋の彩り祭」のアニメーション音楽を担当した他、ウェブCM等の楽曲提供も行っている。2014年よりアイドルグループ「おやすみホログラム」のプロデュースを開始。2015年、自主レーベル「good night! records」を立ち上げ、おやすみホログラムを含んださまざまなリリースを計画中。
Curry Robo
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