yuichi NAGAOが選ぶ2015年ベストアルバム10枚
12月27日 yuichi NAGAO
“Sukima Tokyo“にてレジデントや、ビート・コレクティブ”En-Tokyo“へのサポート等、特定のジャンルに捕われず積極的な活動を続け、デビュー・アルバム『Phantasmagoria』が話題のyuichi NAGAOが選ぶ2015年ベストアルバム10枚をご紹介。
Archie Pelago『Revealed』
アコースティックなジャズのイディオムとダンスミュージックのバランスが好みです。日本だとアコースティックなジャズプレイヤーとダンスミュージックのアーティストってやや距離があるような気がするので、こういうサウンドは文化的な原因から中々生まれにくい気がしますがどうなんでしょうか。
安室奈美恵『_genic』
私が子供の頃からJ-POPのトップランナーの一人ですが、アルバム通して聴くのは実は本作が初めてです。日本人好みの歌謡ポップス的な安心感を守りつつ、ダンスミュージックのフォーマットとサウンドをがっつり攻めているあたりに職人技を感じます。
Hudson Mohawk『Butter』
新作リリースに併せて久しぶりに1stを聴きかえしてみたところ、やはり名盤でした。ということで、新作ではなくこちらをランクインで。プロダクションのクオリティ面では新作と比べるべくもないのですが、00年代終盤〜10年代初頭ころの『パワーインフレ前夜』感というか、ラフさと雑多感はやはり好きです。
LLLL『Faithful』
レーベルの先輩です。この作品がリリースされたタイミングはまさに私もアルバム制作の最中だったので、多大なインスピレーションと勇気を頂きました。美しい和声による歌ものが最高。
maigoishi『Dystopia』
フュージョンからfootworkまで、高レベルの楽曲が詰まっておりとても刺激的な作品でした。変拍子の使い方や楽曲構成などなど、いち作り手としてとても勉強になりました。
Redinho『Redinho』
昨年末から今年の頭くらいによく聴きました。トークボックスや80’s感溢れるビートから最近のベースミュージックのテイストまで、色んな要素を記号的に散りばめているバランス感覚が好きです。シンプルに曲と歌がいい。
光田康典『ハルカナルトキノカナタヘ』
今年はアルバムを作ったこともあり、原点回帰の意味で浜渦正志氏や水田直史氏などスクウェア・エニックスの作曲家さんを中心にゲームOSTを色々聴き返した年でもありました。全部挙げるとキリがないので、今年の『ファン待望トピック』という観点で注目度の高かったこちらの一枚を入れておきます。実はクロノトリガーはプレイしたことないんですが、音楽だけは知っています(笑)。インスト作品が違和感なく歌ものにアレンジされているのは、元曲の持つメロディの力の成せる技だなと。
77 KARAT GOLD『WANNAFUNKWITU』
「黒人のノリは日本人には無理」等々の黒人音楽への憧憬(神格化?)とコンプレックスを自然体のテンションで吹き飛ばす快作。10年前にタイムスリップして、 Theo ParrishやMoody Mann周辺を聴き漁っていた当時の自分に「このレベルのトラックを普通に日本人が作る時代になるよ」と教えてやりたいものです。
Hiatus Kiyote『Choose Your Weapon』
緻密に構築されたビートや楽曲を、ヴォーカリストの力業が成立させてしまう感じが最高です。このバロック的な飛躍というか、数学と魔術が同居するような感覚は、私が音楽に求める最大のものの一つかもしれません。
Maxo『Chordslayer』
最高の一言です。コード、メロディ、ビート、サウンド、すべてが完璧にツボでした。
yuichi NAGAO『Phantasmagoria』
01. Nostalgia
02. Jewel Eyed Girl Progressive-form – Yuichi-nagao-jewel-eyed-girl-from-phantasmagoria-pfcd50
03. Orb
04. Procyon
05. Vega
06. Northern Cross
07. 真夏の夜の夢
08. Star Rain
09. Merry-Go-Round
10. Journey To The Stars
11. Promise
12. Sea Of Memory13. Star Dancer ※配信限定
14. Virgo ※配信限定
■ yuichi NAGAO
香川出身・東京在住の音楽家。
バンド活動などを経て、美術大学在学中に楽曲制作を開始。卒業後はwebコンテンツへの楽曲提供を中心にクライアントワークを行いながら、2012年頃よりアーティスト活動を再開。老舗クラブ青山蜂のレギュラーイベント”Sukima Tokyo”にてレジデントを務めるほか、都内のビート・コレクティブ”En-Tokyo”へのサポート等、特定のジャンルに捕われず積極的な活動を続けている。2015年、PROGERESSIVE FOrMより1stアルバム”Phantasmagoria”をリリース。
Curry Robo
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